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坂本真绫欧洲游记-From Every Where 7-2

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Sinopse

7-2 開演時間になり、オーケストラのチューニングが始まると同時に観客たちも静かになった。私も少し姿勢を正して、赤いオペラカーテンが開くのを待つ。すると瞬間、幕の向こう側に立っている俳優の立場であるときの自分の気持ちがフラッシュバックして何とも言えない切ない気持ちになった。 小さい頃から大好きで夢だった「レ•ミゼラブル」というミュージカルでエポニーヌ役を演じてもう7年目。日本では20年以上も前から公演が続いていて、そのたびに大きな劇場を連日【れんじつ】満席にするほど人気の高い作品だ。エポニーヌはメインテーマ曲の1つでもある「オン•マイ•オウン」をソロで歌う、とても重要な役どころ。200回を超えるステージを重ねてきたのに私はいまだに毎回緊張する。でも幕が開く直前このチューニングを聞くと、スーッと心が凪いで【ないで】いくんだ。昨日も一昨日【おととい】も同じ演目【えんもく】で同じ役を演じているのに、またリセットされて全く新しいものに挑【いど】もうとしているような新鮮な気持ちになる。そして心と身体と音楽が、きゅっと手をつなぐ感じがするんだ。あの短い時間が、私は好きだ。 その感覚を思い出して、また涙が出てきてしまった。まだ芝居が始まってもいないのにチューニングを聞いただけで泣いている日本人。我ながら【われながら】可笑しい。たぶん隣の老夫婦【ろうふうふ】には気づかれなかったはずだけど。旅のせいか、私ずいぶん涙もろくなっているみたいだ。「ラ•ボエーム」も、もちろん素敵だった。私はオペラについてあれこれ語れるほど詳しくないけど、ミミ役を演じた女性の声が鈴のように美しかったからもうそれだけで楽しめた。悲しみを押し殺して恋人にさよならを告げる場面で、声を細く小さくして繊細【せんさい】に伸ばした音が、特に印象的だった。カーテンコールでもミミへの拍手が1番質の良い拍手だった。観客の気持ちは拍手の大きさにではなく質に表れるなあと、いつも思う。 終演後外へ出るとだいぶ薄暗くなりかけていて、時計を見ると22時。この時間になってようやく夜がやってくる。振り返るとオペラ座はライムグリーンにライトアップされ、神秘的【しんぴてき】なたたずまいで満足した観客たちを送り出しているところだった。单词:オーケストラ 管弦乐队チューニング 调音,定弦フラッシュバック flashback,闪回レ•ミゼラ ブル 《悲惨世