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坂本真绫欧洲游记----From Every Where 5-3
- Autor: Vários
- Narrador: Vários
- Editora: Podcast
- Duração: 0:05:38
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Informações:
Sinopse
ここの図書室に並んでいる本には一体どんなことが綴(つづ)られているんだろう。空の星の動きについて?神様のこと?それとも誰かの日記とか?今は誰も入(はい)れないこの部屋。それなのに椅子や机には、まるでついさっきまで誰かが本を広げ何か考え事していたんじゃないかと思うほど、生暖(なまあたた)かい気配が残っている気がして。もしかしたら当時の学者(がくしゃ)さんたちが真剣に研究していたことの多くは、今ではすっかり解明されていて、そこに記(しる)されている言葉にもう大きな効力(こうりょく)は無いのかもしれない。だとしても、本たちはそれぞれに与えられた使命を全う(まっとう)するべく淡々と、ひっそりとここに生き続けている。そう、「生きている」って感じ。私の胸を震わせたものは、多分それだ。 子供のころ繰り返し読んだ大好きな物語は、空想の世界のお話のはずなのに、何故か自分のためにだけ、書かれた特別な本だという気がしていた。大人になっても、そういうマジックは消えなくて、いまだに私は「不思議の国のアリス」や「銀河(ぎんが)鉄道の夜」を読むと、アリスやジョバンニになってしまうし、たくさん並んでいる活字(かつじ)の中に、キラッと光って見える文字(もじ)を見つけては、何か自分にとって、大事なメッセージだと感じて、何度も何度も、目でなぞってしまったりするんだ。国やしゅうきょうかんや時代の違う人たちが書き残したことばが、今もなお私を救ったり動かしたりするんだから、その威力は凄(すさ)まじい。時の流れの中で紙やインクが劣化しても、「ことば」は光を失(うしな)わない。ずっと生き続けるんだ。 どれだけ長い時間そこにいただろう。全然飽きなかった。「神学の間」には大きな天球儀(てんきゅうぎ)がいくつも並んでいる。大学時代社会学(しゃかいがく)を専攻していて、昔は科学者と哲学者の境界線(きょうかいせん)がほとんど無く、同じカテゴリーとして研究されていたという話を聞いたとき、そりゃそうだろうと、納得できた。化学のテストは、いつも赤点の落ちこぼれだった私だけど、量子論(りょうしろん)の本を初めて読んだ時は、まるで哲学書を読んでいるみたいで、理論より感覚で理解できる気がしたもの。私たち、この宇宙の一部として生きていながら、知らないことや不思議なことばっかりで、ほとんど何もわかっていない。自分たちの住むこの宇宙が、どうやって始まったのかさえも。そ