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日本の昔話18——頭の池

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Sinopse

日本の昔話18——頭の池頭の池 むかしむかし、あるところに、どうにも貧乏な男がいました。「人並みに暮らしたいなあ。・・・そうだ、観音様(かんのんさま)にお願いしてみよう」 男が村の観音様に通って、お参りを続けていると、ある晩、観音様が現れて、「いいだろう。お前の願い、叶えてしんぜよう。夜が明けたらお宮の石段を降りていって、最初に見つけた物を拾い、それを大事にしなさい」と、告げました。 やがて男が石段を降りて行くと、何か落ちています。「ははん。これだな」 拾いあげると、それはカキのタネでした。「何だ、こんな物か」 男は捨てようかと思いましたが、せっかくお告げをもらったのですから粗末に出来ません。 ありがたくおしいただくと、これは不思議。 カキのタネが男のひたいにピタッと張り付いて、取ろうにも取れません。「まあいい、このままにしておこう」 すると間もなく、カキのタネから芽が出て来ました。 芽はズンズン伸びて、立派な木になりました。 男がたまげていると、カキの木は枝いっぱいに花をつけ、花が終わると鈴なりに実をつけました。「うまそうだな。試しに食べてみよう」 男が食べてみると、甘いのなんの。 男はさっそく、町へカキを売りに行きました。「頭にカキの木とは、珍しい」「おれにもくれ」「おれもだ」 カキは、飛ぶ様に売れました。 男はお金をふところにホクホク顔でしたが、面白くないのは町のカキ売りたちです。「おれたちの商売を、よくも邪魔したな!」 男を囲んで袋叩きにすると、頭のカキの木を切り倒してしまいました。「ああ、もう、金もうけ出来ない・・・」 男がしょげていると、切り倒されたカキの木の根元に、カキタケという、珍しいキノコが生えてきました。 おいしいキノコなので男が売りに行くと、これまた飛ぶ様に売れました。 面白くないのは、町のキノコ売りたちです。「おれたちの商売が、あがったりだ!」 男を囲んで袋叩きにすると、カキの木の根元を引っこ抜いてしまいました。 男は、ガッカリです。 頭には、大きなくぼみが出来てしまいました。 やがてこのくぼみに雨がたまって、大きな池が出来ました。「こうなったらいっその事、池に身投げをして死んでしまいたい」 男がなげいていると、頭の池でパチャンとはねるものがありました。 手に取ってみると、大きなコイです。 頭の池にはいつしか、コイやらフナやらナマズやらが育っていたのです。 男は頭の池の魚を売り